8月5日(曇〜晴

午前7時頃起床。前夜殆ど寝付けなかったせいか、体調悪し。
毎回、自転車に纏わる物品がなければ空港までの道中がなんぼ楽か、と思う。が、向こうで得られる”楽しみ”を考えればしばしの我慢である。
9時頃杉田氏が迎えに来てくれる。杉田氏のお父さんに久しぶりにお会いする、何か以前より若く見える。
杉田氏のお父さんが運転する車で、箱崎の東京シティエアターミナル迄送ってもらう。感謝。運悪くバス代が足りなかった為、格好を付けてデビットカードで支払おうとするが「このカードでは使えません」と受付嬢に言われて、止むを得ずクレジットカードで支払いをする。が、あっちではこのカードでお金を引き出す積もりなので「もしカードの磁気がブッ壊れていたら、本当にマズいぞ」と内心不安になる。
10時前、我々が乗ったバスは箱崎を出る。杉田氏はノートPCを取り出して、前夜の緑山での写真の整理を始める。「そんなに火急にしなければいけない事なのか?」と思ったが、どうやら他の席でノートPCを広げている人がいたので負けていられなかった、と云うのが事の真相らしい。
その緑山の写真を見ながら杉田氏「日本のBMXシーン」に付いての持論を成田に着く迄披露する。
10時半過、成田空港に着く。空港に着いて程なくして、猪又・西岡の両君と落ち合う。両君の荷物の大きさを見て、オーバーチャージの心配をしてしまう。
取り合えず大荷物をなんとかしたいので、時間前だが窓口に行くことにする。
係員が居ない隙に自分の荷物を測ると、自転車の箱が規定ギリギリなのは理解出来るのだが、スーツケースの方が去年よりも7kg増になっているのには釈然とせず。
荷物は預けられたものの、時間前なので発券手続きの為にまた後で来てほしい、と窓口の係員に言われる。
11時半頃、見送りに来てくれた猪又君のお父さんの発案により、窓口近くの「銀座ライオン」にて昼食。体調が悪いせいか余り食が進まず参る。杉田氏ジョッキを喫し、BMX論の続き。
午後12時過、発券の為窓口に行く。少年達すかさずマイレージカードを差し出す。用意の良さに感心すると同時に頼もしさを覚える。
1時半頃、出国手続きに向かう。予定通りX線検査で工具一式が引っかかり別送扱いになる。これで大分荷が軽くなる。
ゲードに着いて休む間もなく飛行機に乗り込む。席に着いて間もなく睡魔に襲われたらしく、電車に乗った夢を見る。「俺が乗ったのは飛行機だぞ」と思って目が覚めると、飛行機は離陸を開始していた。
離陸して程なく飲み物のサービス。少年達は7upを飲んだ後、睡眠へ。
食事の時間になったが、少年達は起きる様子がなかったので、悪いと思いつつも一人で食事をする。私は機内食の優劣に付いて特にどうとも思う性格ではないのだが、いくら何でもミートローフとパンに寿司と云う取り合わせは如何なものか、と思ってしまう。
寝付こうと思い、普段は酒が飲めないのにワインを飲んでみたが、頭と胃が痛くなっただけで全く意味をなさず。取り合えず、持参した「おかしな男・渥美清(小林信彦:著)」を読む。
暫くして少年達起きる「もう飯食べちゃいました?」。少年達日本人乗務員を見付け、食事を所望するが食品衛生上の都合により、キチンとした形では出せないと言われる。そして、持ってこられたのはオカズの代わりにカップ麺が載ったものであった。
それから更に暫くして軽食。何と、出てきたのは先程のカップ麺であった。少年達は思わず苦笑していた。
食事が一段落した頃、我々と離れた席に座っていた杉田氏が来て「何か雑誌無い?目覚めたら暇でしょうがないんだよ」と言っていたので、持参したDig-It Zineを貸す。しかし、こちらもやることが無くなったので、カメラやビデオの時間を現地時間に直したり、この日記を執筆したり、読書がまた一段と捗ったり・・・・・。そう云えば以前Robbie Moralesが、長距離飛行の様をCDを何枚も何枚も取り替える仕草で例えていたことを思い出す。
窓の外が明るくなった頃、再び食事。現地時間午前11時半前、シカゴ・オヘア空港着。心配していた荷物受け取りと入国手続きが想像以上にスムースに行き、安心する。
連絡電車(?)に乗り、国内線のターミナルに移動。窓口で手荷物について聞かれるが、何を言っているのか分からず。ただでさえ無い英語力が更に低下していることに不安を覚える。植山君が羨ましく思える一瞬。
午後1時前、フィラデルフィア行きの飛行機に乗り込む。離陸前、覚悟していたとはいえ、離陸待ちの滑走路渋滞に少々苛つく。
機内の軽食に、ターキーサンドイッチが出る。何となく「アメリカに来たんだな」と言う実感が出る。
フィラデルフィアに近づくにつれ、結構な大きさの入道雲が目立ち始める。現地の天候に不安を覚えるが、何事もなく好天で4時半前、フィラデルフィア空港着。
長い通路を歩き、荷物を受け取るが、カートが有料なのに気が付く。ここで杉田氏機転を利かせ、カート2台に4人の荷物を振り分ける。経験の豊富さが出る。レンタカー屋のシャトルバスに乗り込むと、3人「蒸し暑い」を連発。
5時頃Alamoレンタカー着。杉田氏車を受け取る。シボレーのVenutreと云うミニバンだが、以前私が借りた時からモデルチェンジしたらしく、荷室の使い勝手が向上している。
出口が分かりにくく、出るのに少し手こずったが5時半頃、B-Townに向けて出発。有料道路を1時間程北上。ところが、ここでチョンボをしてしまう。私が勘違いをして下りる出口を間違ってしまうが、私はフリーウェイ感覚で「次の出口でUターンしようよ」と言う。が、ここは「有料道路」。行けども行けども出口が無く、次の出口まで結局20〜30分もかかってしまう。陽のある内にトレイルに行って、鍵の置き場所を教えてもらいたい身としては焦りが募る。
7時半頃、昨年も利用したB-Town(*1)のモーテル着。取り合えず荷物を置き、皆には何も言わずトレイル(*1)に向かう。「何処に行くの?」という少年達の問いに「大瀧が目的を言わない時の行動は、何か良い企みがある時だから、期待しておいた方が良いぜ」と杉田氏が答える。積年の交友関係ここにあり(苦笑)。
8時頃トレイル着。.昨年地元ライダーに教えて貰った駐車場所に「駐車禁止」の真新しい看板が・・・・。と言っても、他に駐車場所を知らないので、取り合えずそこに車を停めて歩いて行く。
入り口の藪から一人担がれて出てくる。その一団から少し遅れてKeith Gowerが出てくる。駐車場所のことを話すと、近くのスーパーマーケットに停めてくれと言われる。そして、我々が次の週末にウッドワードに行くことを話すと、一緒に行きたいとのこと。思わぬ面白い話である。
藪の中を更に進んでいくと、Chris "Sal" Salesに会う。「見てくれよ、リニューアルしたぜ。今年は路面のコンディションも最高だぜ」その一言につられて杉田氏は降りていくと、歓喜の声を上げる。つられて降りていった少年達も歓喜の声。それを聞いてSal思わず苦笑。
私も下りていって見たいと思ったが、今日無理にここに来た目的を果たすためにSalに鍵の置き場所を訊くと、今年は施錠していないと言われる。
Salが帰り、下に降りていくと・・・・・、昨年に比べてそこかしこがパワーアップされていた。「・・・・・・・来るんじゃあなかった、乗れるところ無いじゃん」と後悔が頭の中を渦巻く。
帰路、B-townの中心街にあるNick's Pizzaに寄ってみたが、何故か臨時休業。9時前、モーテル近くのApple Bee'sにて夕食。
10時頃、モーテルに戻って自転車を組む。猪又君が自転車を組まないので理由を訊くと、持ってきた自転車(Specializedのレースバイク)でトレイルを走るのに不安があるので、明日自転車を買うと云う答え。他人事ながら旅費の心配をしてしまう。11時半頃就寝。長い一日だった(当たり前だ)。

(*1)6日の日記にも記されていますが、ここのローカルライダーから街とトレイルの名前を 公共媒体に出す事を許されていないため、名前は伏せています。


負けていられず、PCを開く杉田氏。

7upに仕込まれた睡眠薬で眠る2人。

一同自転車組立中。

8月6日(月)晴時々曇

午前7時半頃起床。屋外にて日記を書く。暫くして皆起きる。モーテルのロビーに朝食を取りに行き、部屋で食事。
9時頃、車で10分程行ったところのショッピングモールに行く。色々な店を一通り覗く。洋服屋での少年達の購買意欲の凄さに親近感を覚える(笑)。午後12時頃、モール内のBoston Marketにて昼食。12時半頃モーテルに戻る。
1時頃、B-TownでBMXに造詣の深い自転車店Action-Wheels。そこの店員でもあるGowerに猪又君のことを話すと、否定的な反応を示す「(前略)Mavicのホイルだってそんなヤワじゃあないと思うし、第一、自転車を丸々1台組んだらお金がもったいないよ」。しかし、それと同時に自転車をわざわざ1台組む心要性も理解しているので、結局2時間がかりでGower、猪又君、インチキ通訳の私、の3人であーだこーだ言いながら部品を選び出す。蛇足だが、自転車を組むために猪又君が持参した部品はRタイヤとペダルと・・・「他は?」と訊くと「ステムがあります」と言って出したのは、Povertyのステムであった。「何でお前ほどのライダーがこんなジャンクステムを使っているんだよ・・・・」と内心呆れていると、Gowerステムを手に取り、何も言わず首を左右に振ってゴミ箱に放ってしまった。「あ゛〜っ、捨てないで〜!それ使うんだから〜!!」と言う猪又君に「だから何でそんな変なステムにこだわっているんだよ・・・・」と心中ツッコミを入れる。
そんなこんなで部品を全部揃えてGower合計を計算。少年達Gowerの暗算の速さに驚く。奥のピットを見ると、特殊工具の必要な部分の組立をしてくれていた。「工賃は?」と訊くと「要らない、サービスだ」との答え。感謝。〆て合計$1,200也。Gower吐息をつき「高い旅費になったな」。しかし、モーテルに戻って計算してみると、そこかしこで値段をまけていてくれていることが判明。深謝。
モーテルで今度は4人であーだこーだ言いながら猪又君の新車のセットアップ。が、ヘッドの下カップとフォークコラムの補強部が干渉してハンドルの動きが悪いのと(こうなることはGowerも知っていて加工を約束していたのだが、ピットの人間に上手く話が伝わっていなかったのであろう)、ブレーキのショートパーツが足りないので(しかも前用を渡してやがった(笑))、4時前、再びAction-Wheels。
Gowerハンドルを左右に振ると事情を理解する。リューターを持ち出し30分程カップ内部を削る。言っていなかったのにブレーキのセットアップ迄してもらう。
4時半頃、トレイル近くのスーパー。が、実はその前に場所を忘れてしまい、少々迷う。駐車場にJay Lonerganの車。自転車を降ろしていると、通りがかりのオバサンに「ECD Rules!!!」と声をかけられる。こう云うのはアリなのか?
トレイルに着くと入り口付近でJay とSalが言い争いをしていた。「何か問題が起きたのか?」と訊くと「いや、こっちの話だから気にしないで乗ってくれよ。トレイルは見たか?今年は最高のコンディションだぜ」とJay。取り合えず杉田氏を紹介する。「彼は91年頃、POW(*1)に取材に行ったことがあります」と言うと「ああ、そう云えばその頃・・・・」何と、Jayは杉田氏が取材に行ったことを思い出したのであった。杉田氏がトレイルの取材をしたい旨を話すと「トレイルと町の名前は”絶対”に出さないでくれ。「PAの何処か」と云う風にしてくれれば全く問題ない」(*2)とJayは快諾。我々が降りていくと、2人はまた言い争いを再開した(笑)。
降りると、見覚えのある少年が。テキサスのJason Sanday(*3)であった。「暑い」を連呼していたので「何時から来ているの?」と訊くと「2時半から」との答えが返ってきた(因みにこの日は40℃近くあった)。
少年達はそそくさと乗り始める。猪又君は2〜3回でフェンス(*4)を制覇。フォートウェインはヒップ部分の手前の左曲がりで一寸手こずっていたものの、あっさり制覇。気が付くと、もうフェンス後半の分かれる部分に挑戦し始めていた。一方の西岡君は移動疲れが残っているのか、「下りトレイル」に慣れぬせいか分からないが、リズムをなかなか掴めず飛び過ぎを連発。苦労しているようである。
私も負けじ(?)と、フェンスに挑戦するが、全く体が動かず「こ、こんな筈では・・・」と焦る。そして、何回か転んだりしている内に、クランクを回すと「バキン」と音がし始めた。アームが曲がってフレームに当たってしまっていた。取り合えず岩で叩いて応急処置をするが、乗る気が萎えて今日は白旗を揚げることにする。
Sandayはファキットを軽やかに、豪快に舞う。すると、猪又君がファキットに挑戦を始める。「いきなりそれか?」と思うが、何とあっと云う間に前半部分をこなしてしまった!!「最初の日にあそこをこなすなんてバカだ、アイツは」と呆れるSanday。ヒゲ面の男が来る。「見覚えがあるな・・・」と思っていたら、Ike Taylor(*5)だった。向こうもうろ覚えで私のことを覚えていたようである(自信はないが(笑))。
6時半頃、ようやくJayとSalが降りてくる。Jayはいきなりファキットを走り始める。が、途中でゲシる。Jayのゲシりは初めて見る(*6)。一方Salはスネているのか、人と全く違うラインを攻めている。猪又君はJayと一緒に走っている内に、ファキットを全部こなす。「初日でファキットを全部飛ぶのかよ?」とJayとSalも呆れる。
当日いた面々に、東京界隈のトレイルのビデオを見せる。スパークトレイルの所でJayが「お〜っ、これがマコト(*7)が電話で話していた、ワインダーに似たセクションかぁ」と言っていた。
8時前、トレイルを発つ。モーテルに着き、隣のダイナーにて夕食。サラダバーで野菜をガッツリ補給。モーテルに戻って、曲がったクランクを外す。
11時半就寝。明日は負げね。しかし、クランク代が・・・・・。私も「高い旅費」になりそうである。


(*1)Pro of Westminsterの略。1989年、S&M総帥のChris Moellerが東海岸の若手プロライダー達と LAで共同生活していた一味。Foster兄弟、Todd Lyons、Neal WoodがPOW出身者なのは余りにも有名。
JayとSalは90年代前半の構成員。実は彼等はSheep Hillsの開拓者のメンバーでもある。
最近の雑誌ではRide2001年7月号P.58にその辺りのことが少し載っている。
(*2)8月5日(*1)で触れている事。
一例を挙げると、以前某ビデオマガジンにここが取り上げられた時、毎週50人以上のBMXerがここに押しかけて、 近隣住民とモメてトレイルが閉鎖寸前に追い込まれた過去があったとの事(住宅地の空き地に毎週遠方から車が大挙して押し掛ける様を想像してもらえれば分かりやすい)。
そのため、その辺りのルールにはかなり神経質にならざるを得ないというのがここの現実らしい。
因みに3年前、我々がこの地を最初に訪れた時も、正直な話あまり歓迎されてはいなかった。
(*3)ビデオ「ROAD FOOLS 5」に出てきた池の畔のトレイルの主。残念ながら転居したため、あのトレイルはもう無いそうである。
(*4)トレイルの各セクションにはこのように名前が付いていることが多い。理由は見通しの悪い部分での事故防止(スタート前に自分が走るセクションの名前をコールする)や 説明の時に楽だとか(?)、色々考えられる。
この日記でも唐突にセクションの名前が出てくるので、この色でセクションを表すことにする。
(*5)ユタ出身でRIDEの元チーフエディター。南部や東部に深く潜入し、通好みのライダーの記事や写真を送り出している。
http://www.bmxonline.com/でも彼の撮った写真を見ることが出来る。
(*6)走っている時に音もしない位(冗談抜きで)技巧派なので、見たときは本当に「えっ!?」と思った。
(*7)大島実君。Juicy Visionの「UNDER 22」に出てくる。


ファキットに挑戦中の猪又君。

只今ファキット測量中。6mありました。

Jason Sanday。まさに「蝶のように舞う」。

Jayのスタイリッシュなテーブルトップ。

8月7日(火)

午前7時頃起床。1時間程日記を執筆。8時過朝食。9時頃、別の場所のトレイルの下見。細かい所が色々と変わっている。が、ハンバーガーヒルの奥にあった、斜面をカービングするようになっているバックサイドは一体?
10時過Action-Wheels。店の前に見覚えのあるセダンが停まっている。店内に入るとSalがホイルを直していた。
クランクは少し悩んだ結果、(175mmだけしか在庫がなかったのが気になったが)ProfileのDJクランクにする。店のピットと工具を借りて交換を自分でさせてもらう。作業をしながらSalと雑談。Salに「お前毎年ECDのTシャツ一杯買って帰るけど、日本で売るためなのか?」と訊かれ「いいや、友人達のお土産にしている」と答えると、「あげちゃうのかよ〜、もっと金儲けしろよ〜」と言われる。
これと言って問題なくクランク交換を終え、Action-Wheelsを後にする。
11時半頃モーテル近くの中華スタンド「Mi Chong」にて昼食。杉田氏の大量注文に驚く。37歳にしてこの食欲恐るべし。食後モーテルに戻る。
午後1時半頃トレイル。スーパーの駐車場からトレイルに向かう途中、BMX乗りと思しき6人組に会う。良く見たらStilemanでお馴染みのColin Stileの一味であった。後で話を聞いたら、NBLグランド迄東海岸を色々と廻るらしい。
猪又君本日も快調に攻める。一方の西岡君「昨日は基充のペースであちこちやり過ぎたから、今日はまずフェンスを全部飛ばんと・・・・」彼ほどの実力者がまだ基本ラインも制していないとは、余程ここの特徴を掴めず苦労しているのであろう。少し集中して取り組み、フェンス制覇。
と、暫くして西岡君ファキットに挑戦を始める。「オイオイ、攻略する順番が違うかじゃねぇ〜かよ」と思っていたら、4個目のWを避け損ねて空中に投げ出され、地面に思い切り叩きつけられてしまった!
暫く動かなかったので焦るが、何とか起き出し一安心。手足の関節にも異常は無い模様。しかし、腰を強打しており、今日乗り続けるのは無理であった。
Sal来る。ロングを走っていたので、最後のドロップオフを見たいと云う猪又君の頼みを聞いてもらう。飛び終えて「やって見ろよ、簡単だぜ」とSal。・・・・・・・そうなのか?
Federalに乗ったこざっぱりした男が来る。別のトレイルのロコライダーのMurphだった。
猪又君ワインダーに挑戦する。1回目で全部こなす。皆呆れ返る。
5時頃近くのバーガーキングにておやつ。西岡君体が痛いので、車で休むとのこと。西岡君「さっきSalって人に「ビール飲めば痛みは取れる」って言われましたよ」。んな訳ない。
トレイルに戻り、また皆に東京界隈のビデオを見せる。Stilemanに日本の土質に付いて訊かれる。
Ekim King等、別のトレイルの人間が数名来る。皆私のことを覚えていてくれて安心。皆相変わらず良く騒ぎよく乗る。
猪又君がクールダウンでフェンスを飛んでいた時、何でもないところで転びそうになり自転車を放ったところ、何処かにぶつけたのかギア板が曲がってしまう。Salが応急措置をしてくれるが、このまま使い続けるのは無理。7時頃トレイルを後にする、
7時半頃モーテルに戻るが、西岡君が動けないためMi Chongにてテイクアウト。モーテルにて夕食。又も杉田氏多量注文。9時頃、猪又君と近くのスーパーに買い物。今日撮ったビデオを観たり雑誌を読んだり、無為に過ごす。11時頃就寝。
記し忘れたが、私はフェンスの7個目のW迄行くも、途中で横の木に激突。腿を強打。負けっ放し。


ひたすら高さを追求するChris "Sal" Sales。

Sal Radio Station。
でも、よそのトレイル迄持っていくのは
如何なものか(笑)。

夜のひととき。

8月8日(水)

午前7時頃起床。屋外で日記。8時過、足達君に電話。昨日西岡君がSalに言われたセリフを話すと「それ、一昨年俺が別のトレイルで怪我した時も言われましたよ」。「お約束」のネタだったのか・・・・・。朝食後、コインランドリーに行く。
10時過、Action-Wheels。これで3日連続。Gower「今度は一体何だ?」と云う意味の笑みを浮かべる。猪又君のギア板を選び、ステムを「真っ当な物」に変える。猪又君S&MのEnduroを選択。猪又君、今日の部品代を$100以内に収めたいとのことなので、Gowerに相談。何とかやりくりを付けて予算内に収めてもらう。感謝。
Gowerとウッドワード行きに付いて話す。ここでGowerから「(ウッドワードから)帰ってきたらどうするんだ?旅費を節約するためにも家に泊まりに来ないか?」と有り難い提案。即答は避けたものの、個人的には色々な意味で泊まる気満々である(笑)。
11時半頃、Action-Wheelsを出る。その辺りのArby'sにて昼食。食後、近くのドラッグストアを覗く。
宿に戻ると、杉田氏腹痛を訴える。考えてみれば、こちらに来てから全く自転車に乗っていないのに食欲は少年達を上回っていたのだから、塩梅がおかしくなるのは仕方ない話である。
3時前、別のトレイル。誰も居なかったが、数分するとSal達トレイルのローカルライダーが数名来る。Salに「Murphは?」と訊かれたので「誰も来ていない」と答えると、「何だよ〜、2時に来るって言っていたのによ〜」とおかんむり。が、その前に約束の時間に1時間も遅れる方もどうかと思うが・・・・。
そうこう言っている間にも猪又君は次々とラインを攻略。全くもって羨ましい限りである。私もメインを走るが、「薄っぺら」の所為か後半部分に行けず。
4時前、Ekim達ここのトレイルのローカルライダーが数人来る。Daveが居ないので、弟でもあるEkimに訊くと(*1)、何とX-Gamesのコース造りのためにウッドワードに行っているとのこと。猪又君、Ekimと共にテンパックプレスサイドを走る。ここでハプニング(?)発生。テンパックの途中からジャングルに向かって抜ける新しいラインをEkimが挑戦していたところ、猪又君が何気なく通って先に飛んでしまったではないか!一同「Holy!!」と叫んでいたのは云う迄もない。
Salはフォーメドウズの最初のバームが上手く曲がれず、ブー管から煙を吐いてプリプリのキリリンコで帰ってしまった。Salが帰る姿を見て「Salって人、いつも格好が同じですね」と西岡君ナイス指摘。
5時頃、ようやくMurph来る。入れ違いにEkim達は、更に別のトレイルに行くとのことで帰る。
猪又君Murphにハンバーガーヒルの攻略法を手取り足取り教えてもらう。しかし、ヒネ者と云う印象の強かったMurphが、あんなに親切にしているのを見るのは何か変な気分である。彼自身の成長もあるだろうが、それだけ猪又君を認めているのであろう。
猪又君、ハンバーガーヒルを2回で制覇。Murphも教えた甲斐があったと言わんばかりの満足げな表情。その後、2人でハンバーガーヒルセッションに明け暮れる。猪又君のホイルから異音が出る。どうもスポークが緩んでいるらしい、との結論に達する。
6時頃、別のトレイルを出る。私の我儘により7時前トレイル。少年達は疲れたので車で待っているとのこと。
行くとJay、Sanday、Salの3人。Salは丁度帰るところであった。Salに「今日はMusik Festival(*2)に行くのか?」と訊くと、「いいや、行くのは明日にすると思う」との返事。Jayは既に乗りまくった後らしく、箒でトレイル上の落ち葉を掃いていた。
足は痛かったものの、ウォームアップ済みの所為か調子が良く、後W 1個と云う所迄フェンスを攻略出来る。
トレイルの掃き掃除を一通り終えたJayが帰って暫くして、我々もトレイルを後にする。
車に戻ると少年達「Jayさんと会話が出来た。俺達の英語通じたね」と小喜。8時半過、モーテルに戻る。
モーテルの近くに新しく出来たイタリア料理店で夕食。美味しいが、パンの旨さでNick's Pizzaに軍配。それにしても一体何時になったらNick'sは店を開けるのであろうか(今日も通りがかったが「臨時休業」の貼紙)?腹痛にも関わらず、杉田氏又も大量注文。案の定再び体調を崩す。「バカでぇ〜、俺」と呟かれても・・・・。
モーテルに戻るとSalから電話。「バーで飲んでるからMusik Festivalに来いよ」との誘い。「結局行ってんじゃん・・・」と云うツッコミを心中入れつつも、杉田氏の腹の塩梅を見つつ行くことにする。
10時頃、中心街の会場に着く。時間が遅かったせいか、会場近くの良いところに車を停められる。約束のバーを覗いてみるが、Salが居なかったため取り合えず会場を一回りする。Ekim達に会う。更に歩くとChris Staufferと1年ぶりの再会。Staufferの連れの男を良く見ると、Jeremy "Magilla" Reissであった。初めて会うが、噂通りの大男である。
Stauffer達と別れて、会場内を更に歩く。杉田氏「これは貴重な経験だなぁ」と感慨深く一言。確かに我々「海外からの旅行者」が、このようなある意味生活に根付いている「祭り」に行くと云うのは、そうなかなか出来るものではない。しかし、人混みが苦手の私にとっては少々辛いのが本音ではあるのだが(苦笑)。
暫く歩くと、Gowerと彼のガールフレンドや友人達に会う。一緒に会場を散策。歩き疲れたので、コンサート会場脇で座って休む。3人はコンサートを観に行く。Seanと云うGowerの友人に日本語を教えてくれと言われる。どうやら彼は合気道を嗜んだことがあるらしい。
Salの事が少し気になるので、Seanの携帯を使ってGowerに連絡を取ってもらうと、誰も来ないので帰ったとのこと。「始まったよ・・・・」と思うが、出不精の私を、ここに来させるきっかけを作ってくれたことに付いては、感謝しなければいけないと思う(笑)。
11時頃、祭りが終了。皆で車の所迄歩く。Gower、猪又君に彼女の写真を見せろと要求。猪又君、明日ホイルの修理を交換条件に写真を見せるが、プリクラの写真のため、Gower良く分からなかった模様。
先程のバーの前で少し雑談後、Gower達と分かれる。
11時半過、モーテルに戻る。午前12時半頃就寝。世の中分からないことだらけである。


(*1)別のトレイルの中心メンバー。彼等兄弟の走りはMANMADEのビデオ「RIDERS FROM HELL」で見ることが出来る。
(*2)B-Townで毎年夏に行われる、街を挙げてのコンサートを中心としたお祭り。今年はシェリル・クロウが来たらしく、一寸見たかった。去年はロバート・クレイが来ていて、もっと見たかった。


猪又君、テンパックで余裕のX-UP。

Ekim King
フォーメドウズでのテーブルトップ。

Murph。ハンバーガーヒル

ハンバーガーヒルを攻める猪又君と
それを見守るMurph。
 

8月9日(木)

午前8時頃起床。屋外で日記を書く。妙に日差しがきつく感じる。
10時頃、Action-Wheels。猪又君のホイルのスポークを増し締めをしてもらう。その間、Gowerと明日のウッドワード行きに付いて話す。明朝、我々がGower宅に迎えに行くことにする。その時に、我々のトランク等をGower邸で預かってもらう。毎回車での長距離旅行の時は使わないトランクを持っていくのに鬱陶しさを感じるので、有り難い話である。
Action-Wheelsを出た後、西岡君の腰の痛みが引かないため、一旦モーテルに猪又君の自転車を置き、昨年足達君が図らずもお世話になった、スケートパーク近くの病院に行くことにする(単に私が他の病院を知らないため)。結局、今年も病院皆勤賞を更新してしまう(*1)
午後12時頃、Lehigh Valley病院。こんな日中に行くのは初めてなので、日本の病院のように普通の窓口に行くが、あちこちたらい回しにされて結局、救急窓口に行ってくれと言われる。良い教訓だったが、役立てたくはないものである。
暫く待たされた後、研修医による問診。私の英語力不足で症状が上手く伝わらず。その後医師による診断。
担当の医師、腕前は分からないがなかなかのウィットの持ち主で、西岡君の診断を一通り終えた後、真顔で「最後に一つ「大事」なことを聞きたい。彼の髪の色は地毛か?それとも染めたのか?(微笑)」。この思わぬ不意打ちには、三遊亭円楽でなくとも「山田君、一枚持ってきて!」と言いたくなってしまう。話を戻すが、骨には異常等は見受けられず、打撲とのこと。取り合えず安心する。
午後2時頃、病院を出る。それにしても暑い。2時半頃Mi Chongにて遅い昼食。3時頃、軽く回り道をしつつB-Town郊外のK-Mart。少年達の1/2ガロンジャグを買うつもりだったが、在庫がなく仕方なく1リットルのものにする。帰路、看板の温度計の表示を見ると「100°(40℃以上)」の表示。道理で暑いわけである。
4時頃、トレイルに向かう。途中Action-Wheelsに寄り、Gowerの家の場所の確認をする。
5時頃トレイルに着く。SF映画のように誰も居ず(笑)。暫くするとMagillaとTerrible Oneに乗った男が来る(後日気が付いたが、Shawn "ELF" Waltersであった)。
30分位して、Stauffer、Jay、Sal、Ike、Sanday達も来る。
土が乾いて路面がバサバサなので、杉田氏と共にトレイルの傍の小川に水を汲みに行く。水辺にもの凄い数のヤスデの群。「バシャッ」と川で音がしたので見てみると、何やらニョロニョロした物体が・・・。「鰻か・・・?」と思って良く見ると、何と蛇が20cm程の鱒を捕らえているところであった!「ウワァ、スゲ〜!こんな住宅地の川にブラウントラウトがいる!」と、釣りを嗜む杉田氏は驚きの声。
さて話をトレイルに戻すが(笑)、Staufferは相変わらず「GOD」振りを強烈に見せつける走りをする。「大瀧がネットの掲示板で「(柳瀬)晋男とStaufferを一緒にするな」と言っていた意味(*2)がようやく分かったぜ〜」と杉田氏。猪又君、Staufferがやっていたモトクロス(*3)に挑戦。これもまた数回のトライで出来るようになる。
この位になってくると、皆猪又君に色々とアドバイスを送る。「羨ましいな〜」と思いつつ、一人フェンスに挑戦。何とか最後迄行ける。嬉しかったが「でも、Sheep Hillsの10連に取り組んでいた遠田君の苦労はこんなものではなかったんだろうな〜」とついつい想う。
8時頃、トレイルを出る。今週末にテキサスに帰るSandayと別れの挨拶。
宿に戻ると西岡君「ウワ〜ッ、夕陽が凄い」。去年の悪天候下の三宅君の一言(*4)を思い出し「去年の夕陽は本当に有難味があったな〜」と心中苦笑する。
9時頃、隣のダイナーで夕食。食後、明日のための荷造り。午前12頃就寝。ウッドワードか・・・・。

(*1)89年:自分(大瀧)車のドアに指を挟み、内出血(改めて書いてみると、なんて間抜けな怪我なんだ)。 病院で爪の内側に溜まった血を抜く。
98年:古志”王子”嘉崇君。7-11トレイルでハンドルバーが腹に刺さる。幸いにも精密検査の結果異常なし。
99年:足達禅君。トレイルで足を捻る。検査の結果、骨に異常はなかったが完治するのに1ヶ月以上かかった。
00年:足達禅君。スケートパークで転倒した時に顎を切る。11針縫う。
しかし、この時点ではまだ知る由もなかったが、今回はこんなものではなかった。
(*2)以前、BMX WEB J@PANの掲示板で「柳瀬君はスタファーみたいです」の様な意味の書き込みがあったので、「柳瀬君は才能あるライダーだけど、Chris Staufferの様な「本物」と一緒にしないで」と云うような書き込みをしたところ、掲示板上以外にも色々な人からお叱りの言葉をもらった一件。
(*3)「モトクロス」に付いてはこんな話がある。
杉田氏が、皆の名前は覚えにくいからニックネームを考えた方が良い、と何故かそう云う話になって、どちらが言いだしたかは分からないが、猪又君は「モト」と名乗ることに決定した。ところが、トレイルでロ−カルライダーに名前を訊かれた猪又君、「モト」と名乗ったところ、[それはラインの名前だろ(モトクロスの略称)、俺が訊いているのはお前の名前だ」と言われてしまった。
皆さんも不良留学生を気取って格好付けた不自然なニックネームを付けるよりも、普段友達から呼ばれている名前を覚えて貰った方が良いと思う。私の経験から云うと、難しそうな名前でも、親しくすれば皆結構覚えてくれていた。
因みに私も杉田氏からニックネームを考えた方が良い、と勧められたが、ビデオカメラに向かって私の名前を連呼する泥酔したアメリカ人を、これ以上増やしたくないので遠慮しておいた。
(*4)去年の日記からの抜粋。
”8月4日(金)曇時々晴:〜(前略)スーパーから宿への帰路「夕陽がきれいですねぇ。こっち来てから初めて夕陽見ましたよ」と三宅君。考えてみれば、夕刻晴れたのは彼等が来てから初めてかも。(後略)〜”
因みに彼等が来たのはこの日の一週間前だったが、それまでずーっと悪天候が続いた。


Stauffer is GOD.

皆の影響か、高さを求め始めた猪又君。
ファキットの4つ目にて。

Jeremy "Magilla" Reiss.
枝が邪魔で見えん・・・・・。

Shawn "ELF" Walters.

モトクロスを左に右に寝かせながら攻める
Chris Stauffer.

8月10日(金)曇時々雨朝夕晴

午前7時半前起床。8時頃モーテルをチェックアウト。8時半過Gower邸。ビデオや雑誌の広告で度々出てくる大きな家。が、聞きしにまさるボロ家(笑)。どう考えても早く着き過ぎたので、暫く表で待つ。
9時前、Gower電話の子機を片手に出てくる・・・・もとい、起きてくる。「一寸寝坊したんでモーテルに電話したら、もうチェックアウトしたって言っていたから・・・・」とGower。
暫くして着替えを終えたGowerが出てきたので、預ける荷物を中に入れる。外観は大きい家だったが、Gowerによるとこの家は3世帯に分かれていて、彼等が借りているのはその中の一つに過ぎないらしい。が、その割に庭先は堂々とミニランプで占拠しているのが気になるが(笑)。入ってみると、床面積は優に30坪はありそうな位の広さである。大島君の話通り、猫が3匹居る。Gower「行く前に彼女を送っていって欲しいんだけど・・・・・」との話。別に急いではないので、快諾する。Gower、カスタムペイントのパールカラー(と云うか、「アワビの貝殻の裏を傷つけた感じ」と云った方が良いのか?)に塗られた自分のTerrible Oneを「オカシイ色だろ(笑)」と評価。近くのペイント屋に塗ってもらったらしい。個人的には結構気に入る(が、車やオートバイのように面積の広い物に塗られていたら、クドいかも)。勿論彼はタダで塗ってもらったが、もしBMXのフレームに同じように塗ってもらったら$400位かかるらしい。
9時半頃、Gowerの彼女も乗せてすし詰めで出発。10分程で到着。どうやら彼女の兄弟がBMX乗りらしい。
Gower、我々を近くの雑木林に案内してくれる。彼等が作っているトレイルらしい。行ってみると、とても2〜3人で造っているとは思えない、かなりの規模のトレイルである。自宅の側にこんな所があるなんて、本当に本当に羨ましい限りである。
10時過、今度こそウッドワードに向けて出発。出発して一寸行った所のガソリンスタンドで給油のついでにGowerが朝食を買おうとしたところ、何とそこは煙草専門店。「ここ迄食い物が無いとは・・・・」と思うが、Gowerは何とか近くで食料品店を見付けて問題解決。
高速道路を走っている内に雲行きが段々怪しくなってきて、遂に空が泣き出す。「あ〜あ〜あ〜」と思いつつも、ウッドワードに向かう一本道の手前のタコベルにて昼食。
食事中、Gowerが「表を見て見ろ」と言うので見てみると、黒塗りの時代めいた馬車が道路の向かい側に止まっていた。「Amish(*1)だ。ウッドワードの辺りはAmishの居住地域なんだ」とGower。Amishはオハイオやインディアナの辺りに住んでいる、と今の今迄信じ込んでいた私にとっては、脳の皺が一本増えた気分であった。それにしても今迄有名無名色々な日本人がウッドワードに行っているにも関わらず、この事に触れている人を見た記憶がないのだが、何故なのだろうか?「エクストリーム」とやらには縁のない物だから、どうでも良いのであろうか?それとも・・・・・。
食後、雨と霧の中をウッドワードに向かう。道中、芝居がかった古い街並みの集落を幾つか抜ける。
暫く走り、雨は取り合えず止む。ようやく「ウッドワード」の村(?)の標識。杉田氏が雑誌社を通じて予約をしようとしていた「Woodward Inn」を発見。西部劇に出てくる"Saloon"のような佇まいに「こんな小さい宿だったら予約も取れない訳だよ(*2)」と納得。
程なくウッドワードキャンプに到着。何か箱根ターンパイクや伊豆スカイライン沿いに忽然とお馴染みの施設が現れた感じで、かなり違和感を覚える。取り合えず受付のために事務所に行くと、何と杉田氏の話がまるで通じない。後で分かったことだが、どうやら雑誌社の取材の話が、ウッドワードの事務方に迄行き渡っていなかった(ESPNの担当者に話が行っていたらしい)のが原因らしい。取り合えずGowerがChris Hallman(そう云えば彼もB-Town出身だった)と話をして中に入れるようにしてもらう。杉田氏や雑誌社の方々には失礼な言い方になってしまうが、もしGowerが居なかったことを考えるとかなりゾっとする話である。
パスの役割をする紙製のバンドを手首に巻く。我々がここにいる間は、巻いていなければいけないらしい。Gower宿泊の交渉もするが、流石にそこ迄は無理とのこと。
ともかく受付はこれで終了したので、これて大手を振って場内をウロウロすることが出来る。まずトラックの様子を見に行く。噂通り大きなサイズだが、どこか大味さを拭えない、と云うのが偽らざる感想。45フィートステップアップ付近でRobbie Mirandaと再会。更にゴール付近でKeith Mulliganとも再会。私のことを覚えてくれていたようで安心する。HAROに乗ってBMXに不向きそうなバスケットシューズを履いた男がいる。誰かと思って良く見ると、Dave Cullinanであった。昔会った時よりずいぶん老けたな〜、と云う印象(そりゃそうだ、前に会ったのは12年前だから)。当然ながら向こうが覚えている訳がないので特に何も無し。蛇足だが、彼が履いていたBMXに不向きそうな靴は、OAKLEYの靴だった。「いくらスポンサードされている物だからといってもなぁ」と少々気の毒に思う。
さっき受付をした事務所付近の建物を覗くと、日体大か社会主義国家を思わせるような、見たこともない体操の設備が多数あった。ウッドワードはどうやら体操競技の合宿所としてもかなり有名なところらしい(聞いておけば良かった)。恐らく元々はこちらの方が本業だったのでは?とも思う(だから聞いておけば良かった)。
車に戻り、パークで乗るために自転車を出す。ここで困り事発生。ウッドワードはヘルメットは勿論のこと、両膝両肘のパッドも必要とのこと。こんなに簡単に乗れることになるとは思ってもいなかったので「もう少しその辺りのことを調べておけば良かった〜」と少し悔いる。蒸し暑い中、一人長袖を着用してアホみたいである。
ミニランプで乗っていると、係員から「BMXの時間じゃないから乗るな」と叱られる。そう云えば以前、山崎君が「ウッドワードは時間割で乗る時間が決まってますよ」と言っていたことを思い出す。
外に出ると「オ〜タキ〜!」と帽子を被った太めの男が私のことを呼ぶ。「?」と思ったが近づくとDave Kingであった。隣にいたMark Rehnaを紹介してもらう。2人共土方要員で滞在しているらしい。公衆電話を見付けて宿の予約をする。
ダートジャンプセクションでAA達がセッションを始める。猪又君その中に混じり遜色のない走りをする。
T.J.Lavinもいる。じっくりと彼のライディングを見るのは初めてだが、引き出しの多さに感銘。
猪又君、T.Jのやっていたトランスファーに挑戦するもあえなく玉砕。が、猪又君の所に寄ると「(ハンドルバーで)歯ぶつけました」と言って血塗れになった口を見せた。・・・・また病院か?
雨がパラついてきたので、皆撤収する。午後6時頃ウッドワードを出てモーテルに向かう。が、モーテルのあるステートカレッジの街迄結構な距離。道中馬車に乗ったAmishの親子を見かける。
1時間程してステートカレッジの中心街に入る。学生街に良くある落ち着いた街並みである。自転車に乗ったRobbie Mirandaに会う。彼位の格のライダーはウッドワードに泊まれると思っていただけに以外である(単に食事に来ただけなのかも知れないが)。
そんなこんなでステートカレッジのモーテル6に着く。今迄のモーテル6歴の中でも一番広くて設備が整っている。荷物を置いた後小休止。Gower何処かの部屋に内線電話をかける。3階にScott Yoqueletがいるらしい。再びウッドワードに、今度は「乗り」に行くための準備をする。と言ってもさっきはさっきで結構乗ったような気がするのだが・・・・・・。まあ、いいか。折角のウッドワードだから。
8時頃、中心街のサンドイッチ屋で夜食。真っ暗の怖い夜道をひた走り、9時前ウッドワード着。
屋外の施設で乗る。ミニランプで再びペグが掛けられるようになって、少々嬉しくなる。
少年達は隣の屋内施設にピットフォームを発見したらしく、そちらに行ってしまう。私は最初大人ぶって「そんな子供だましみたいなところには行かないよ〜ん」、と思っていたが誘惑には抗しきれず(笑)、後を追って行くことにする。
屋内でDaveに会う。Gowerの居場所を訊かれたので教えると外に行ってしまった。
猪又君、Gowerのフルフェイスを借りて、ピットフォームでバックフリップに挑戦する。初めて挑戦したにしては結構いい感じになっていて驚く。結構様になってきた時、GT一式に身を固めた男が来て、猪又君にバックフリップのアドバイスをする。「もう少し力強く踏み切って、早く廻るようにしないと」とのアドバイス通りに猪又君挑戦し、メイクしてしまう。もうどうにでもしてくれ。後で杉田氏から指摘されたのだが、猪又君にアドバイスをした男はJamie Bestwickだった。また気が付かなかった・・・・・・。
話を少し戻すが、猪又君がバックフリップの練習をしていた時、Allan Cookeが難易度の高い技の練習に勤しんでいた。「エクストリームは一日にして成らず」と意味のない格言が頭をかすめる。ピットフォームとはいえ、ダブルバックフリップは凄かった。
そう云えば、昼間もSteve McCannやBruce Crisman等、有名なライダーの姿をチラホラ見かけた。ウッドワードすごいですよで(C-中田君)。いや、本当。冗談抜きで。
せっかくなので、私もピットフォームで色々とやってみるが、全然上手かず、結局自転車がフォームのスポンジのお蔭できれいになった以外、何も成果をあげずに終わる。
再び屋外の施設で乗る。昼間の蒸し暑さが嘘のように涼しくて気持ちが良い。外ではGowerとDaveと名前の分からない3人が乗っていた。改めて云う迄もないが、3人共上手い。夜も更け、皆雑談時間に入る。GowerとDaveが我々と入れ違いにこちらに来る大島君が、何処に泊まるかに付いての話をしている。その話が脱線し、3年前、私が初めてB-Townを訪れた時の話になる。2人共こちらが恥ずかしくなる位、当時の詳細を覚えていて参る。
午前12時頃、ウッドワードを出る。また暗い夜道にビビりながら1時頃モーテル着。
着いてからGower「明朝、8時半頃に俺はライダーズミーティングに行かなければならないので、Yoqueletと先に行くから、皆はゆっくりしてくれ。俺は補欠(本当は別の言葉で言っていたが、私の語学力不足のため「補欠」と云う言い回しにしてしまった)だから、明日にならないと出られるかどうか分からないんだ」と言った後、「明日、着替えの入ったカバンを持ってきてくれ」と付け加えて眠りにつく。
Gowerが出られることを祈りつつ、1時半頃就寝。それにしても「あ〜っ、騒いだ騒いだ(C-膝方歳三)」1日であった。
(*1)専門家の説明の方が分かりやすいと思うので、こちら(宇部高専・矢次綾さんのホームページ)をどうぞ。
(*2)5月位から予約云々の話が出ていたが、結局部屋は取れなかった。宿の規模を見て納得。


Gower邸。
ここが全部彼の家だったら凄いのですが・・・・・。

トレイルに案内されているところ。

トラックに行くために丘を登る。
写真では分からないが、
傾斜度は40°位あってかなりきつい。

スタートヒル。

45フィートステップダウン付近から
後半部分を望む。

後半部分を歩く。

45フィートステップダウンを横から見たところ。
上に立っている人との対比に注目。

最終ストレート付近。

T.J.Lavin
尋常でない位、子供達に人気があった。

プロライダーに混じり、
ダートジャンプセクションを楽しむ猪又君。

普段、仕事で思い切り乗れない鬱憤を晴らすかのような、Gowerの迫力あるテーブルトップ。

Dave King
昼間土方、夜パーク。
「ここは本当に最高だよ」Dave曰く。

猪又君、バックフリップ練習中。

8月11日(

起床前、枕元でGowerの出発する音が聞こえる。午前8時頃起床。皆には申し訳ないと思いつつ、今日着る服がない有様なので一人で洗濯。モーテル備え付けの乾燥機の乾きが尋常でない位悪くてイラつく。
9時半頃、皆を起こす。10時頃出発。11時前ウッドワード着。杉田氏プレスパスをもらいにESPNの担当者を探しに行く。取り合えずレースが始まる迄何もする事はないので、上の方に上がるとDaveに手招きをされてトラックの中に入れてもらう。45フィートステップダウン手前のジャンプの修正をしている。こんなにト−タルな意味で「ワイド」なトラックでも結局「人力」は必要なのか、と感じる。暫くすると杉田氏も上がってくる。担当者がなかなか捕まらず苦労しているようである。更に残念な知らせを杉田氏は持って来た。Gowerは出場出来なかったらしい。下を見ると、土手でフテ寝しているGowerを発見。横を見るとBrian Fosterがいたので、この時の為に、と持参した扇に筆ペンでサインしてもらう(*1)。これで目的達成。もう今帰っても良い位である(嘘)。
下に降りると、参加者用のちょっと豪勢なビュッフェがあった。横目で見つつも私には関係ないので通り過ぎようとすると、そこでくつろいでいたRobbieに「オオタキ、好きなのを取れよ」と言われる。言われてみれば、起きてから何も食べていないので大変に助かる。下に降りてGowerと会う。「参加しない人間もいて枠の32人に空きがあるのに、何でエントリーさせてくれないんだ?」と不満を述べる。2人で車に戻る。Gower「オオタキ、俺のカバンは持ってきてくれたか?」・・・・・・・・忘れた、なんたるチョンボ。「いいよ、着替えが入っていただけだから」とGowerは言ってくれたが、申し訳ない気持ちでこちらの気は晴れず。
杉田氏も車に戻ってくる。まだ担当者に会えずに困っているようである。杉田氏、自転車を置いて再び担当者探しに向かう。Gowerも下に降りる。車で日記を記している内にうたた寝。
午後1時頃、Gowerに起こされる。Gowerと共にミニランプで乗る。相変わらずスパイン恐怖症。自分のヘタレ振りを強烈に周りにアピール。Gower以外にキャンパーの少年達からも指導を受ける。「出来るようにしておけば良かった」と昨年と同じ事を思う(*2)
2時頃、先程のビュッフェに行く。「オオタキ、一寸待っていてくれ」とGower。私の分の昼食まで持ってきてくれる。感謝。BMXトラック下の土手で昼食。ここ2日程彼を観察していると、どうやら彼は偏食家ではないらしい。
トラックの方では練習が始まっていて、皆45フィートステップダウンのセッションをしていた。が、多くのライダーがこなせていない現実に驚く。Gower、空をチラッと見上げると「ここは風が悪い時があって、俺が昨年のトリプルクラウンに出た時、練習で最後の6連を飛んだら風に煽られて転んで、手首を怪我してレースに出られなかったんだよ」。そう言えば風がパーク施設からトラックの方に、かいつまんで言うと45フィートステップダウンや最後の6連の進行方向に対して、逆風が吹いている。ある意味「仕事」として走る「プロライダー」は本当に大変である。
3時前、車にビデオカメラを取りに行き、45フィートステップダウン手前の辺りに陣取る。
脇を通り過ぎるライダ−の自転車を見てみると、Steve VeltmanがMagraの油圧ブレーキを前にも付けていた位で、特にと云うよりSPDを付けていないこと以外、普段のレースバイクとまるで変わりない。試しにJamie Staffにギア比を訊いたところ「42-15。普段と変わりないよ」と云う返事。更にRobbieにも訊くと「44-16」と云う返事。Robbieなら上手く答えてくれる筈、と思い「こう云った普段の「BMX」と違うトラックなのに、ライダーは何か特別なマシンのモディファイとかは考えないのか?」と訊くと「ここのトラックは2つのパートに分けることが出来る。前半が普通のBMXトラック。後半がビッグジャンプのあるダウンヒルトラック。前半の事を考えると、アドバンテージを取るためには普通のBMXで良いんだよ」。確かに、普段20〜30フィートのプロセクションを飛んで「レース」している人達からすれば、モディファイ等は考慮の必要がないと云う理屈は何となく頷ける。
肝心のレースがなかなか始まらないので、たまたま側にいたRobbieに訊いてみると「うん、日本みたいだな」とRobbie節炸裂(*3)。やはりRobbieはこうでなくては。それはさておいて「いや、今のは冗談。TV機材のセットアップで遅れているみたいだ。ESPNの主催だから、どうしてもTV優先になってしまうのは仕方がないよ」とのこと。
とか何とか話していると、突然Kyle Bennettが1人凄い勢いでトラックを走り始めていた。事情が全く分からないので、本番前に申し訳ないと思いつつBobbieに訊いてみると、今日の「予選」は1人ずつタイムトライアルを行い、そのタイムを元に明日の「準々決勝」のモトを組み、「準々決勝」からは通常のBMXレースのフォーマットで行うそうである。大慌てでビデオをトラックに向ける。
それにしても、完走率の何と低いことか。中にはKeith MulliganやChris Sanchez等、怪我をしているのにも関わらず「形だけ」走っているライダーもいるのである。こんな状態で明日「レース」は成立するのだろうか?
そんなこんなで予選終了。1位は以外にもChristophe Leveque(*4)。2位 は更に以外にもTravis Turesson。3位はkyle Bennettであった。因みにRobbieは、最終ストレートの6連の1個目のWでまさかの失速で下位 に終わる。ゴール付近で落胆している様子が上からも見て取れる。「もしかしてさっき「Good Luck」と言ったのが原因か?」と一人気を揉む(笑)。そう云えば昨日見掛けたDanny Nelson、Craig Reynolds(*5)、Erik Abbadessaは走っていなかった。Danny NelsonやReynoldsはまだ分かるが、Abbadessa迄も・・・。
6時頃、モーテルに戻る。Gower即気絶。7時頃近くのKenny Rogersの店で夕食。この後ウッドワードに行こうか行くまいかと考えるが、何となく行く気分が起きず、なし崩し的に行かないことになる。行きたいという気は少しあったが、無理して道中事故を起こすことを考えると行かない方が良いな、と自分を納得させる。
杉田氏「今日の予選見たかよ?あんなんで明日レース成立するのかよ?」取材で来ている杉田氏にしてみれば非常に気になるところであろう。
10時頃、寝付こうとするが、寝そびれてロビーで2時間程日記を記す。下村氏に電話するが不在。
午前12時過就寝。いいのか?明日のレース・・・・・。
(*1)この扇、1名様に差し上げます(ここをクリック)。
(*2)去年スケートパークでスパインが出来ず「出来るようになった方が良いよな〜」と思ってはみたものの、結局現実逃避でこの1年何もせず。ダメだね〜、俺って。
(*3)JBMXFの皆さん、努力が足りないんじゃないですか(笑)。
(*4)書き忘れていたが、彼も45フィートを飛べなかったクチで、練習終了3分位前にようやく飛べた。蛇足だが、その時は余程嬉しかったようで、その次の小さなWでノーフットをかましていた。その仕草がかなりオモロだった
(*5)STORM Vol.11の杉田氏の取材によると、Reynoldsはこのような形のレースに否定的な意見を持っているようだ。もし、私が雑誌のライターだったら、その辺りを詳しく訊いてみたい。


本番前に整備に勤しむNate Wessel(上)
Dave King(左)Mark Rehna(右)。

練習中に負傷し、手当をしてもらう
Keith Mulligan。

バームの砂を掃くRobbie Miranda。

予選1番手、Kyle Bennett。

予選は大波乱!!
45フィートを飛べない少なからずのライダー
(写真はJason Donnell(上))
「名手」達の信じられないミス
Brain Foster(左)、Robbie Miranda(右)
まさかの凡ミスにうなだれるRobbie(下)。

何だかんだ言って結局トップタイムをマークしたLeveque。
 

驚きの低完走率で幕を開けたX-GAMES。果たしてレースは成立するのか?ESPNのカメラをくぐり抜けて杉田氏は取材が出来るのか?歯から流血した猪又君は?打ち身が辛い西岡君は?そして、出場出来なかったGowerが起こす以外な行動とは?
次週、とんでもない事が起きる!!
(大したことは起きません)


日記8/12〜8/18へ
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